パラゴン格闘記 ’22 ②【モノラル・カートリッジ オルトフォン CG-25Di 導入】


当店顧問のR35sTuttiです。

今回、当店にて導入したモノラル・カートリッジの銘器 オルトフォン CG-25Di (注)。


正直に白状いたします。

まさかここに手を出すとは。。。でした。



ただ、私がこれまで九州のジャズ・スポットを巡ってきた中で、特に感動したことの一つ。

それは、佐賀・鳥栖の老舗ジャズ喫茶 コルトレーンコルトレーンのマスターに教えていただいた教え。



いいモノラル盤をいいモノラル・カートリッジで聴くこと(=音源の品質を確保すること)の大切さ



実際に体感するまで、全くわかりませんでしたが、これがまさに、凄い!の一言。



モノラル盤がこんなにも情報量を持っているなんて、こんなにも生き生きと音楽を表現するなんて、想像すら出来ませんでした(※)。


(※)モノラル盤はステレオ・カートリッジでも再生出来ますが、その構造上、トレース出来る情報量が全く違うことをご存じでしたでしょうか?恥ずかしながら、私はこの時まで全然知らず、モノラル盤の実力を完全に誤解していました。苦笑



ましてや、それが(ちゃんとした)オリジナル盤となると、もうこれは異次元の音楽。


そんな記憶が鮮やかに蘇ったのは、「この間、新品のCG-25Diが一つだけ、在庫で残っていたのに気がついて驚いた」と聞かされた今年の春先。

久しぶりに訪問した北九州・小倉にあるオーディオ・ビギンさんでの話。



店主も、特に売る気もなく、たまたま話の流れで言っただけの話。

そんな逸品があるのなら、一度聴かせてほしいとお願いしたのも、いつもの私の好奇心。

でも、試聴し始めた途端、事態は急変。。。その音楽の立ちっぷりが、まさに破格!!



先日も書いたとおり、

「そこ(店)で鳴っている音楽のレベルの高さを客観的に証明するのは困難」

「作った音、そこで鳴っている音楽のレベルなんて、客観的に示せるものではない」

と悶々と悩んでいた私にとっては、まさに天の啓示。

これだ!!



・その音楽が一番輝く音量=その音楽に見合った大きな音量で鳴らしても問題のないシステム

に加え、

・このモノラル・カートリッジの銘器に見合ったシステム


こう書けば、わかる人には、ご理解いただけるはず。



まぁ、正直に申し上げれば、こんな理屈も全て後付け。

興奮の余り、「これ、譲ってください!」とすぐにお願いしている自分がいた。

これが実際のところ、です。笑


【続く】



【参考:オーディオ愛好家の皆様へ】

既にお気づきのことと思いますが、実際にこのカートリッジを導入するためには、何点か解決すべき問題がありました。



1.このカートリッジはとても重いけど、アームをどうするの?問題

(1)残念ながら、新しいアームまで買う余裕はありませんでした。

(2)でも、SMEのアームなら補助おもり※で何とか対応出来ると知り、ホッと一安心。


※SMEアーム用補助おもり:オーディオ・ビギン特製ですので、ご興味のある方はお店まで。


(3)ところが!更なる決断を迫られる問題が発生。

(4)当店のレコード・プレイヤーは、Garrard Model-401とMICRO MR-411の2台。



(5)出来れば、Garrardに装着したかったものの、これまた残念ながら、SMEのアームはMICROにしかつかない。

(6)仕方なく、決断。

(7)とりあえず、MICRO MR-411で運用を開始することにいたしました。



2.昇圧トランスをどうするか?イコライザー・カーブをどう補正するか?問題

(1)当然ながら、イコライザー・カーブ補正機能付き昇圧トランスを買う余裕もありません。

(2)ここはもう割り切るしかありませんでした。

(3)イコライザー・カーブの補正は当面諦める。



(4)このカートリッジの格に見合った昇圧トランスのいい出物がないか?と依頼。

(5)その結果、元FR(*)の技術者が立ち上げたシェルター社の昇圧トランスModel 411が見つかり、併せて導入することにいたしました。


(*)FR:コアなアナログ・ファンご用達のフィデリティ・リサーチ社


イコライザー・カーブの補正が出来ていないことから、レコードによっては所謂正しい再生ではありません。

でも、モノラル盤、更にはそのオリジナル盤を最高峰のカートリッジで聴く凄み。



現時点で、十二分にご堪能いただけると信じておりますし、

これも現時点の話ですが、九州でこんな楽しみ※を味わえる店はほとんどありません。


※オリジナルのモノラル盤を最高峰のモノラル・カートリッジで聴ける幸せ。知っているようで、実は多くの方が体験したことのない魅惑の世界。

この機会にオリジナルのモノラル盤を少しずつ導入を開始しましたが、内容・状態共にいいものでないと意味がなく、それは貴重な文化遺産とも言うべき逸品、すなわち、高価。

少しでも多くの方々にお越しいただければ。。。みんなで幸せになりませんか?笑



もっともっとモノラルのいいオリジナル盤の音楽をいっぱい味わいたいなぁ。。。

更には、

レコード・プレイヤーをグレード・アップ出来るともっといいんだろうなぁ。。。

イコライザー・カーブの補正もちゃんと出来るようにしたいなぁ。。。



全ては、当店のコンセプト『癒される空間』のため。

と言いつつも、もうこのレベルまで来ると、単なる個人的な高望み?



いずれにせよ、ここから先は、皆様のご来店次第。

何卒、お越しいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。



(注)オルトフォンのCG-25Di【オーディオ愛好家の皆様へ:その2】



今回当店が導入したオルトフォンCG-25Diは、現行品であるMkⅡではありません。

今となっては、それより圧倒的にクォリティが高かったと評判の貴重な初期型。



上記記事は、下の音元出版社 季刊アナログ誌 2005年WINTER vol.10の特集「愉悦のモノラル盤再生・モノカートリッジ集中視聴(テスター 林 正儀氏)」で取り上げられていた「オルトフォン CG-25Di」。

現物を導入してから読み返し、その大絶賛の評価に背筋が伸びる想いがした次第。



そもそもこの季刊アナログ誌は、下のとおり当店がパラゴンを譲り受けた古処さんが掲載。

そんな経緯から古処さんが所有し、当店に引き継がれた一冊。



そんな本にこのカートリッジが取り上げられていたなんて!

新しい歴史と昔からの歴史がこんな所で交わるなんて!



縁の巡り合わせの不思議なこと。


このタイミングでなければ、出会えなかったこのカートリッジ。

それがこの後、当店のオーディオ・システム全体の調整/更なるレベル・アップにもつながっていくのですから、本当に面白くも有難い縁でした。


次回 【更なる高みへ:システム調整】へ続く



音と珈琲 一粒万倍

大分・竹田のミニトマト農家=私達の家にパラゴンがやってきた!

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