パラゴン格闘記②19/06

こんにちは。R35sTuttiです。

さて前回のレポートに対し、我々が教えを請うことにした大阪のSONNY師からいただいたご指導の要旨は下記のとおり。

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1.ウーハーのエッジの確認

(1)理由:劣化が一番気になる部分であり、後から気がついて修復したら、チューニングもやり直しになるので。

(2)確認方法:①裏蓋を開ける正攻法で確認 ②前の開口部からスマホを突っ込んで奥の方を撮影

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2.アッテネーターの極性

(1)疑念と推定結果

①LX5の出力側の極性は正面から見て+ - - +。

②従って写真の配線コードの色が正しいと仮定すると、LX5の「3」の配線は明らかに逆(通常、赤線はプラス)。

③ただ、逆相に繋がっているのはウーファー部ではなくてスコーカー、ツイーター部で、その修理を行わない限り、逆相につなぎ直す可能性は低い。

④JBLの保守マニュアルを探した結果、配線図のノート3に「ハイフリーケンシー側は逆相につなぐこと」と注記されていることを発見。

⑤従ってこのパラゴンの場合購入時からスコーカー、ツイーター部には逆相であったと思われる。

(2)確認事項

①もう一方のチャンネルについても同様の接続になっているならば間違いないと思われるので、確認すること。

(注)その理由はネットワーク回路更新のせいかスピーカーユニットの整合性の為か、タイムアライメントの調整を位相を逆転し聴感上重視したのではないかと想像される。

②モノラル音源を使用しスピーカーの前を右から左へとゆっくり歩き中央付近で音場が変わらなければこのままの接続でOK。

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3.各オーディオ機器電源のアース極性

(1)アメリカなどのアースが独立した三線タップとコンセントなら問題ありませんが、日本の家庭用電源はアースが共用の二線なのでアースは揃えないとノイズやハムがオーディオ信号に混入する。

(2)コンセントには長い方と短いのがあり、長いほうがアース側。

(3)【参考】コンセントの極性の調べ方

a.検電ドライバーが無くてもテスターさえあれば簡単にチェック出来る。

b. テスターを交流位置にして片側をコンセントに片側を床に接地して電圧を計り、明らかな差が出て低いほうがアース(グラウンド)。

4.左右の音の違いを認識

(1)理由:パラゴンの設置場所は理想からかなり遠い。部屋の構造上、仕方がないとは言え、部屋の短辺に設置され、しかも片側が壁で他方はサッシなので、右と左の反響は恐ろしく異なると思われる。

(2)認識方法:真正のモノラル音源のソースを用意し、右チャンネルだけ、そして左チャンネルだけをプリアンプでセレクトし音色の違いを確認する。

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5.左右の音響の違いを揃える

(1)理由:パラゴンの中域がリフレクターを使用して左右に反射しており、音全体を左右別々にチューニングすることはできないので、これはものすごく大切。

(2)実施方法

①プリアンプでのイコライジングでは左右別々の調整はできないので、大きな部分はスピーカーのアッテネーターで主要部は整えることになる。

②従ってこのような部屋の場合、右左が同じアッテネーターの位置になることは無い。

③その後、細かな部分の調整はカーテンなりで調音すべき。

④絨毯類の吸音についても音の最後の仕上げで行うべき。

⑤但し、天井と床で鳴き龍現象が起こるほど酷いと最初に全面絨毯はあり。

⑥営業時に聴取する際の音量を保ってチューニングすることが肝要。

⑦実際のところ、音を聴感上でバランスを取るのはかなりの経験と能力が必要。

⑧参考のために、ボーズ101などのフルレンジのバランスの良いスピーカーを最低限の基準音とするために用意し聴き比べるのもいい手だて。

⑨左右の音のバランスを整えてしまえば、それでも不足する全体の音のアンバランスはスピーカーの前後左右の位置決めやマッキントッシュの優れたイコライザーで微調整が可能。

⑩これらの作業は必ずCDでおこなってからレコードの手順で進めること。

6.とりあえずの課題終了

(1)この後の細かな音のチューニングも大切だが、ここまで出来れば、チューニングの70%は出来たも同然。

(2)スピーカーコードやアクセサリーなどの小手先で何とかするなんて絶対やめたほうがいい。それは最後の仕上げ程度。

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7.その他

(1)アンプのボリューム設定

①現在、パワーアンプの左右のゲインがフルになっているが、これはオーディオマニアがやる初歩的な誤り。

②プリアンプの音質を最大限引き出すためには、先ずプリのヴォリューム位置を12時に合わせ、次にパワーアンプのゲインを実際に普段聴取する音量まで上げていき設定する。

③またどんな高級アンプでも左右のヴォリューム位置は音量によって揃わないので、おおもとの整合性はこの時にパワーアンプのゲインで整える。

(2)カーテンの開閉

①我々の感想:パラゴンの左手に窓とカーテンがあるので、カーテンを閉じた状態から開けた状態まで聴き比べてみたところ、開けた状態の方がクリアな感じでクラシックを聴く時にはこちらが好ましかったが、ジャズ(サックス)を聴くとカーテンを閉じた状態の時の方がくぐもった感じが温かさにつながり、好ましく思えた。

②①に対する反論:サックスの音が部屋の環境でくぐもって聴こえるのは悪だと思う。必要なエコー成分は録音時にエンジニアが付加している。ヴァン・ゲルダーのブルーノートを聴けばわかる通りで、クラシックはいざ知らず、ジャズを鳴らすのに、部屋に残響はいらない。


以上ですが、実際の実験結果については、また次回の記事で。


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